Blue Leaf ONNASON OKINAWA

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お知らせ

【沖縄・恩納村ダイビング情報】2025年サンゴ産卵16日間の記録|恩納村一筋20年の実績「プロガイド横田」が追いかけた奇跡の夜

いつもお世話になっております。
沖縄・恩納村ダイビングショップ「ブルーリーフ」の横田です。

いよいよ、今年もサンゴ産卵の季節が近づいてきました🌙

今回は、昨年2025年6月に向き合ったサンゴ産卵観測の記録を、少し時間をかけて残しておきたいと思います。

2025年のサンゴ産卵は、私にとって忘れられない年になりました。

それは、ただサンゴの産卵が見られたからではありません。

2024年の大規模白化の翌年に、恩納村の自然サンゴが本当に命をつなぐのか。
どの水深で、どのサンゴが、どのタイミングで産卵するのか。
そして、その瞬間を自分のフィールドで確認できるのか。

2025年の観測は、そんな大きな問いを背負った16日間でした。

サンゴ産卵は、予想だけではたどり着けません。
現場に入り、外れた日も記録し、サンゴの兆候を探し続ける。
その積み重ねの先に、ようやく一夜の奇跡があります。

この記事は、サンゴ産卵を「見た」という話ではありません。
恩納村の海で、プロガイドとして何を見極め、何を記録し、何を未来に残そうとしたのか。

その16日間の記録です。

2025年が特別だった理由

2025年のサンゴ産卵観測が特別だった理由。
それは、前年の2024年に大規模な白化現象があったからです。

恩納村の浅場では、水深5〜8m前後のサンゴに大きなダメージが見られました。

これまで成長を見守ってきたサンゴたちが白くなり、命を落としていく姿は、正直かなりショックでした。

サンゴがなくなるということは、ただ景色が変わるだけではありません。
そこに暮らす小さな生き物たちの住処も失われます。
海の賑わいそのものが、少しずつ変わっていきます。

だからこそ、2025年に私が一番確認したかったのは、

「白化の翌年、恩納村の自然サンゴは本当に産卵するのか」

ということでした。

これは、ただのイベントではありません。
恩納村の海の未来を確認するための観測でした。

2024年の白化後にダメージを受けた沖縄・恩納村の浅場のサンゴ
2024年の白化後、浅場のサンゴには大きな変化が見られました。

予想は外れた。でも、外れた日にも意味がある

ブルーリーフでは、毎年サンゴ産卵の予想日を立てています。

2025年の前半予想は、6月12日(木)〜6月16日(月)でした。

しかし、予想していた期間に大きな一斉産卵は確認できませんでした。

サンゴ産卵は自然現象です。
予想が外れることはあります。

それでも、ゲストの皆さんがサンゴ産卵を楽しみに予定を合わせて来てくださっている以上、外れた時の悔しさはあります。

しかも2025年は海況に恵まれていました。

潜れる。
探せる。
確認できる。

それなのに、なかなか産卵の兆候が見つからない。

「もう終わってしまったのか」
「別のエリアで産卵しているのか」
「このポイントではないのか」
「自分の読みが間違っているのか」

そんなことを、毎晩考えていました。

ただ、私の中にはひとつの考えがあります。

外している間は、まだチャンスが残っている。

見られなかったということは、その場所でまだ起きていない可能性がある。
外れた日を確認しているからこそ、当たりの日に近づいていける。

だから、私は潜り続けました。

浅場ではなく、深場まで探す必要があった

2025年の観測で難しかったのは、いつもの感覚だけでは通用しなかったことです。

2024年の白化の影響で、浅場のサンゴは大きなダメージを受けていました。

つまり、例年のように水深5〜8m付近だけを見ていればよい、という状況ではありませんでした。

生き残ったサンゴはどこにあるのか。
深場のサンゴは産卵するのか。
ダメージを受けたサンゴの一部が、命をつなぐ可能性はあるのか。

その確認が必要でした。

結果として、2025年は水深10m前後、さらに深い場所まで視野に入れて観測しました。
最大では水深14m付近のサンゴでも産卵を確認しています。

これは、実際に潜って探さなければ分からない情報です。

水面からは分かりません。
机の上でも分かりません。
SNSの情報だけでも分かりません。

その時間、その場所、その水深に入った人間だけが確認できる事実です。

6日間の空振り。それでもやめなかった理由

6月12日(木)から観測を始め、なかなか結果が出ない日が続きました。

正直に言えば、6日間の空振りはかなりこたえました。

「よし、明日はあるぞ!」という前向きな気持ちだけで動いていたわけではありません。
むしろ、不安の方が大きかったと思います。

ただ、それでもやめるという選択肢はありませんでした。

なぜなら、観測をやめた瞬間に、その日の答えは永遠に分からなくなるからです。

その夜、その場所で産卵したのか。
しなかったのか。
兆候があったのか。
どの時間まで確認したのか。

サンゴ産卵の観測では、「見られた日」だけに価値があるわけではありません。

見られなかった日も、翌年以降の精度を上げるための大切な記録になります。

プロの仕事とは、当たった日だけを語ることではありません。
外れた日も含めて記録し、次につなげることだと思っています。

📍2025年の観測ログでは、6月12日(木)から6月20日(金)までの満月週、さらに6月24日(火)から6月30日(月)までの新月週にかけて、日別にポイント・潮・入水時刻・兆候・結果を記録しています。

6月18日、ついに希望の光が見えた

そして、6月18日(水)。

ついに、セットされたサンゴを確認しました。

水中でサンゴの表面にバンドルを見つけた瞬間、言葉では表現しきれない感覚がありました。

毎日毎日、何十個、何百個というサンゴを確認し続ける。
見つからない日が続く。
不安になる。
それでも探す。

その先で、やっと見つけた産卵の兆候。

あの瞬間は、まさに希望の光でした。

心の中では、完全に雄叫びです。
水中なので声は出せませんが、気持ちはかなり叫んでいました。

この日の観測で、翌日への期待が一気に高まりました。

2025年6月18日に沖縄・恩納村で確認されたサンゴ産卵前のバンドル
6月18日、ついに確認できた産卵前の兆候。翌日への大きな手応えとなりました。

6月19日、恩納村の自然サンゴが一斉産卵した夜

翌日、6月19日(木)。

ブルーリーフのオリジナルポイント「サンゴビューティー」で、自然サンゴの一斉産卵を確認しました。

この日は、2025年のサンゴ産卵観測における大きな転機でした。

2024年の白化を乗り越えたサンゴたちが、恩納村の海で命を放つ。
その瞬間を、自分のフィールドで確認できたことは、本当に大きな意味がありました。

そしてこの日は、NHKの水中取材班を現場に案内し、実際の水中映像としても記録が残りました。

少なくとも私が把握している範囲では、2025年に恩納村で自然サンゴの一斉産卵を現場で確認し、映像記録として残し、さらにメディアの公開記録につなげたガイドは、私以外には確認できていません。

これは自慢したいという話ではありません。

むしろ、こうした現場の事実を誰が確認し、誰が記録し、誰が次につなげるのか。
そこを曖昧にしてはいけないと思っています。

自然相手の仕事では、派手な言葉よりも、現場にいた事実が重い。

誰も確認できなかったことを確認する。
誰も残せなかった記録を残す。

それが、本当の意味でのプロの仕事だと私は思っています。

2025年6月19日に沖縄・恩納村南部エリアで確認された自然サンゴの一斉産卵
6月19日、恩納村南部エリアで確認した自然サンゴの一斉産卵。

6月20日、ゲストと一緒に見られた産卵

さらに翌日、6月20日(金)。

この日は、ゲストの皆さんと一緒にサンゴ産卵を観測することができました。

これは、私にとって非常に大きな意味がありました。

自分だけが確認する。
メディアに記録として残す。
そして、楽しみに来てくださったゲストに実際に見ていただく。

この3つがつながったことで、2025年の前半戦は大きな一区切りを迎えました。

自然現象なので、絶対はありません。

それでも、前日までの観測、当日の判断、そして安全管理を積み重ねることで、ゲストをその瞬間へ案内することができました。

これはプロガイドとして、本当に報われた夜でした✨

2025年6月24日から26日に沖縄・恩納村で確認された後半戦のサンゴ産卵観測記録
後半戦でも一部産卵を確認。大きな一斉産卵ではなくても、大切な観測記録です。

後半戦、6月24日〜6月30日も潜り続けた

前半戦で大きな成果があった後も、観測は終わりではありませんでした。

後半予想として、6月24日(火)〜6月30日(月)まで、新月週の観測を続けました。

この期間も、ブルーリーフのオリジナルポイント「サンゴビューティー」を中心に、連続して観測を行いました。

6月24日(火)、6月25日(水)、6月26日(木)には、一部のサンゴで産卵を確認しました。
ただし、前半のような大きな一斉産卵にはなりませんでした。

この後半戦には、ゲストも参加してくださいましたが、
しかし、期待していたような一斉産卵を一緒に見ていただくことはできませんでした。

悔しさは残りました。

でも、この記録にも価値があります。

見られなかった。
大きな一斉産卵にはならなかった。
一部産卵にとどまった。

それも、2025年の恩納村の海で起きた大切な事実だからです。

2025年6月24日から26日に沖縄・恩納村で確認された後半戦のサンゴ産卵観測記録
後半戦でも一部産卵を確認。大きな一斉産卵ではなくても、大切な観測記録です。

📹 YouTubeにも記録映像を残しています

2025年のサンゴ産卵観測は、ブログだけでなくYouTubeにも記録映像として残しています。

文章では伝えきれない、水中でサンゴが命を放つ瞬間。
白化の翌年に、それでも命をつなごうとするサンゴの姿。

ぜひ映像でもご覧ください。

▼2025年6月18日・19日・20日の記録映像
【記録映像|サンゴ産卵】2025年6月18日・19日・20日|満月後7日目から産卵|ミドリイシ・テーブルサンゴ一斉産卵|沖縄県・恩納村|BlueLeaf

▼2025年6月24日〜6月26日の記録映像
【記録映像|サンゴ産卵】2025年6月24日〜6月26日|新月前日から観測記録・後半|ミドリイシ・枝サンゴ・テーブルサンゴ|沖縄県・恩納村|BlueLeaf

▼BlueLeaf公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@blueleaf-onna

2025年の観測から見えたこと

2025年の観測から見えたことは、たくさんあります。

まず、サンゴ産卵は例年通りにはいかないということ。
特に白化の翌年は、これまでの経験だけでは読み切れない可能性があります。

次に、浅場だけではなく、深場のサンゴも重要な観測対象になるということ。

そして、時間帯にも特徴がありました。

2025年のブルーリーフの観測では、早い時間帯に産卵が確認された日もあれば、21時台後半〜22時台にかけて確認された日もありました。

このような時間帯のデータは、翌年以降の観測にとって非常に重要です。

ただし、2025年のデータがそのまま翌年に当てはまるとは限りません。

だからこそ、毎年潜って確認する必要があります。

記録を残すことが、業界の未来につながる

私は、サンゴ産卵観測を単なるイベントとして終わらせたくありません。

「見られました」
「きれいでした」
「感動しました」

もちろん、それも大切です。

でも、それだけでは足りないと思っています。

いつ、どこで、どのサンゴが、どの時間帯に、どのように産卵したのか。
その前後にどんな兆候があったのか。
見られなかった日は、どこまで確認したのか。

こうした記録を積み重ねることで、次の年の判断材料になります。
研究者、メディア、同業者、そして未来のダイバーに渡せる情報になります。

水中世界の第一情報は、その場にいた人にしか取れません。

だからこそ、誰が現場に入り、誰が事実を確認し、誰が記録として残すのか。
そこを見極めていかなければ、この業界の発展はないと思っています。

ダイビングガイドは、ただ水中を案内するだけの仕事ではありません。

自分のフィールドを知り、変化を見続け、記録し、伝える。
その積み重ねが、地域の海の価値を守ることにつながります。

私はこれからも、恩納村の海でそれを続けていきたいと思っています。

📩 サンゴ産卵観測への参加について

サンゴ産卵観測への参加をご希望の方は、日程、経験本数、ナイトダイビング経験の有無を添えて、お気軽にお問い合わせください。

ブルーリーフでは、当日の海況や参加者の経験に合わせて、安全を最優先に開催判断を行っています。

自然現象のため、必ず見られるお約束はできません。

それでも、恩納村の海でサンゴの命の瞬間を一緒に追いかけたい方は、ぜひご相談ください。

▼お問い合わせ・ご予約はこちら
https://www.blueleaf.jp/contact/

まとめ

2025年のサンゴ産卵観測は、私にとって忘れられない16日間でした。

予想が外れた日。
不安になった日。
深場まで探し続けた日。
セットされたサンゴを見つけた日。
一斉産卵を確認した日。
ゲストと一緒に見られた日。
そして、見せられず悔しさが残った日。

すべてが、2025年の恩納村の海の記録です。

サンゴ産卵は、自然現象です。
思い通りにはいきません。

でも、思い通りにいかないからこそ、現場に入り続ける意味があります。

2026年も、ブルーリーフは恩納村の海でサンゴ産卵を追いかけます。

誰よりも潜り、誰よりも確認し、誰よりも記録し、誰よりも伝えられるように。

それが、私がこの海で続けていきたいプロガイドとしての仕事です。

🌙 タカシのひとりごと

2025年のサンゴ産卵観測は、正直しんどかったです。

毎晩潜って、探して、外して、また考える。

「もう終わったのか?」
「場所が違うのか?」
「読みが外れているのか?」
「いや、まだチャンスはある」

そんな自問自答の連続でした。

でも、6月18日にセットされたサンゴを見つけた瞬間、全部がつながった気がしました。

水中で声は出せません。
でも、心の中では完全に叫んでいました。

そして6月19日。
自然サンゴの一斉産卵。

あの夜の光景は、たぶん一生忘れません。

サンゴは、人間の都合では動きません。
だから難しい。
だから悔しい。
だから面白い。

今年もまた、海に試される季節がやってきます!

そして私は、またライトを持って、恩納村の夜の海へ向かいます。

ありがとうございました。