スキル・ワークショップ(WS)24:WS14|コントロールされた緊急スイミング・アセント
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、浅い水深で「呼吸ガスがない/使えない」を想定したときの コントロールされた緊急スイミング・アセント(CESA) を、読めば再現できる粒度でまとめます。

この記事でできるようになること
エア切れ等を想定した状況で、パニックにならずに呼気を止めず、頭上を確認しながら、コントロールされたペースで水面へ到達し、水面で浮力を確保できるようになります。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(ここが崩れると危険)
- 最優先は「呼気を止めない」:上がる間、ずっと吐き続ける(ア〜と声を出すイメージでもOK)。
- 頭上確認:上を見て、船・ロープ・他ダイバー等の障害物を避ける。
- 浮上は“ゆっくり”:急がない。コントロールできる速度で上がる(速すぎない)。
- 浮力は暴れさせない:上がるほどBCD内の空気は膨らむ。必要なら排気して抑える。
- 現実の最優先はバディ:実際のエア切れ対応は、まずバディのバックアップ空気源が基本(WS09/10)。このWS14は“最後の選択肢”としての型。
① 浮上を始める前(その場で整える)
- 止まる:まず停止して姿勢を安定させる(慌てて泳ぎ出さない)。
- 上を見る:頭上に障害物がないか確認する。
- 排気の準備:インフレーター(または使うダンプ)を操作できる位置にしておく。
- 合図:可能ならバディへ緊急を伝える(状況により省略される場合もあるが、基本は伝える)。
② 浮上中(CESAの“型”)
- 片手は頭上へ:上の障害物を避けるため、腕でガードする。
- もう片手はインフレーター周り:浮力が暴れそうなら排気できるようにする。
- 呼気を止めずに吐き続ける:「アーー」と声を出すイメージで、途切れない呼気を作る。
- ゆっくりフィンキックで上がる:急いでバタバタしない。一定のリズムで。
- 必要なら排気:上がるほど浮力が増えるので、加速しそうなら小刻みに排気する。
- ずっと上を見る:最後まで頭上確認を継続する。
③ 水面に出た直後(ここまでがセット)
- 即、浮力確保:BCDへ給気して確実に浮く。
- 呼吸を整える:水面で落ち着いて呼吸を確保する。
- 合図・助けを呼ぶ:ボート/陸へ状況を伝える。
④ うまくいかない時のリセット(練習中の安全確保)
- 呼気が途切れそう:いったん止める(練習なら中断)→ 呼吸を整える → 再開は監督下で
- 浮力が暴れて加速:排気 → 速度を落とす → 可能なら停止して立て直す
- 不安が強い:練習を中断 → バディ合流 → 通常手順へ戻す(無理に続けない)
よくあるミス/原因
- 息を止める:怖さで呼吸が止まりやすい。→ 「吐き続ける」を最優先で固定。
- 上を見ない:船やロープ、他ダイバーにぶつかるリスク。→ 片手ガード+頭上確認。
- 急いで加速する:コントロールが崩れて危険。→ 一定のリズムで“ゆっくり”。
- 浮力調整を忘れる:浅場で浮力が増えて加速しやすい。→ 片手はインフレーターで排気準備。
セルフ合格ライン(3点以内)
- 浮上中、呼気を途切れさせずに吐き続けられる。
- 上を見て頭上確認をし、片手でガードできる。
- 水面到達後、即BCD給気で浮力確保まで実行できる。
安全メモ
このスキルの核心は「速さ」ではなく、呼気を止めない/頭上確認/コントロールの3点です。
練習は必ず監督下で、安全な環境・手順で行ってください。