スキル・ワークショップ(WS)24:WS09|エア切れの練習とバックアップ空気源の使用(停止位置)
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、万が一の「エア切れ(アウト・オブ・エア)」を想定し、停止した状態で落ち着いてバックアップ空気源を受け取り、確実に呼吸を再開する手順を、再現できる粒度でまとめます(各団体の基準に共通する考え方に沿って整理)。

この記事でできるようになること
水中で「エア切れ」を想定して、バディに合図→バックアップ空気源の受け取り→クリア→安定呼吸までを、停止位置(その場)で安全に実行できるようになります。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(パニック防止の要)
- 止まる:泳ぎながらやらない。まず停止して姿勢と浮力を安定させる。
- 合図は大きく・明確に:エア切れサインは曖昧にしない(手順の起点)。
- 受け取ったら最優先で呼吸を安定:1〜2呼吸で落ち着くまで次へ進まない。
- バディ接触(距離管理):掴める距離を保つ。離れたら手順が崩れる。
① 受け手(エア切れ側):停止位置でのバックアップ空気源の使用
- 停止して姿勢を安定:中性浮力を作り、落ち着く(上下動が大きいと受け取りにくい)。
- エア切れサイン:バディの目を見て、はっきり合図。
- バックアップ空気源を受け取る:差し出された空気源(オクト等)を確実に掴む(ホースごと保持すると安定)。
- 口元へ運ぶ(向き確認):マウスピースの向きを整える(上下逆にくわえない)。
- クリアして呼吸再開:パージまたは吐き出しで水を抜き、すぐに1〜2呼吸して安定させる。
- OKサイン:呼吸が落ち着いたらOKを返す(バディに「成功」を伝える)。
- 停止位置を維持:このWS09は「停止位置」が主題。まずはその場で安定を維持する(浮上は次スキルで扱う)。
② 渡し手(バディ側):落ち着いて「渡せる」手順
- エア切れサインを確認:受け手の合図を見たら、すぐ反応。
- 停止して距離を詰める:掴める距離へ。体勢を安定させる(上下動を抑える)。
- バックアップ空気源を差し出す:相手が取りやすい位置に「見せて渡す」(探させない)。
- 受け手が掴んだことを確認:渡しっぱなしにしない(外れる・落ちる・口に届かないを防ぐ)。
- 受け手の呼吸が安定するのを待つ:1〜2呼吸で落ち着くまで、慌てて次へ進まない。
- OKの確認:相手のOKが出て初めて次の行動へ(浮上などは次スキルへ)。
③ 30秒の“安定呼吸”チェック(停止位置での仕上げ)
- 受け手がバックアップ空気源で安定して呼吸できている(目安として一定時間の継続呼吸を確保)。
- バディ距離が保てている(腕が届く、見失わない)。
- 浮力が崩れていない(急浮上・急沈を作らない)。
よくあるミス/原因
- 合図が小さく伝わらない:バディが気づけず対応が遅れる。
- 停止できず上下に動く:受け取り・くわえ直しが難しくなる(慌ての原因)。
- クリア不足でむせる:水を抜く工程を省略して吸ってしまう。
- 渡し手が“探させる”:見つからない→焦る→手順が崩れる(差し出して見せるが正解)。
- OK確認前に次へ進む:受け手が安定していない状態で動き始め、さらに不安定になる。
セルフ合格ライン(3点以内)
- 停止位置で、エア切れサイン→受け取り→クリア→安定呼吸を順番どおりに実行できる。
- 渡し手として、バックアップ空気源を相手に探させず差し出し、掴み確認までできる。
- 受け手がバックアップ空気源で一定時間(目安)落ち着いて呼吸を継続できる。
安全メモ
このスキルの核心は「速さ」ではなく、止まる・明確に合図・呼吸が安定するまで待つの3点です。
焦ったら、いったん止まって姿勢を整え、手順の最初(合図)に戻してください。