【ダイブマスターへの道 #07】2026/02/25(水)7日目|恩納村ボート2ダイブ(山田ポイント)|水中ローピング&リフトバッグ運用の基礎固め
ダイブマスターへの道|BlueLeaf DMトレーニング記録
このシリーズでは、DMコースで「何を」「どんな順番で」「どのように」積み上げていくのかを、現場の視点で記録しています。
ブルーリーフのDMは、形だけでは終わらせません。現場で通用するプロの基準(デモ品質・安全・運営)を、積み上げの過程ごとに記録します。
おはようございます。
沖縄・恩納村ダイビングショップ「ブルーリーフ」の横田です。
今回は、2026年2月25日(水)に実施したDMコース7日目。沖縄県・恩納村の山田ポイントでボート2ダイブです。
この日は、陸上でロープワークを確認したうえで、サーチ&リカバリー(捜索・回収)の目的としてリフトバッグにロープを使う過程を、手順として通す練習を行いました。
このDMコースは、一般ダイバーの延長にある挑戦から、現場で通用するプロレベルまでの「途中経過」そのものが価値です。
一気に上手くなるのではなく、同じ工程を何度も繰り返し、少しずつ“崩れない形”へ近づいていく。その積み上げが、次のステップへ踏み出す人の背中を押せると考えています。

今日のねらい(ロープは“結ぶ技術”ではなく、“運用の技術”)
ロープワークは「結べる」で終わると、実際の回収作業で詰まります。
今回は、結び目の完成度だけでなく、水中での段取り→結束→給気→浮力調整→移動までを一連の作業として整えることに焦点を当てました。
リフトバッグは、上昇中に気体が膨張するため、入れすぎると意図しない加速につながりやすい器材です。だからこそ、給気は“量”より制御の手順が重要になります。
今日のメニュー(サーチ&リカバリー運用:実施項目)
- 陸上でのロープワーク確認(バウライン/ツーハーフヒッチ/シートベント)
- 水底ブロックへのローピング(設置手順の調整)
- リフトバッグへのロープ結束(太さ・長さが異なる3種類のロープで反復)
- シグナルフロートの使い方(取り扱いの確認)
- リフトバッグへの給気と浮力調整(上げすぎない/暴れさせない運用)
- ウエイト(約8kg)の移動(リカバリー:回収作業の流れ確認)
YouTube(記録映像):https://youtu.be/HwPYHDUrV3s
① ロープワーク(陸上確認)— “結べる”より、“使える”へ
まず陸上で バウライン/ツーハーフヒッチ/シートベント を確認しました。
ここは「結び方の暗記」ではなく、回収作業の中で迷いなく手が動き、同じ品質で結べる状態を作るための前段です。
結びは「名前」よりも「用途」で整理しておくと、水中で判断が速くなります。
- 輪を作って掛けたい(対象に“輪”が必要)
- 対象物に固定したい(ずれない形で止めたい)
- ロープ同士を繋ぎたい(太さ・材質が違う条件も想定)
② 水底ブロックへのローピング(設置手順の調整)— “結束”ではなく“段取り”を作る
水中では、まず 水底ブロックにロープを取る工程を調整しました。
ここで大事なのは、結び目そのものよりも 「設置の順番」と「作業中に崩れない手順」を作ることです。
意識したポイントは次の4つ。
- 固定位置を決める:どこに通せば安定するか(ズレ・回転を起こさないか)
- ロープの余りを管理する:長すぎると絡みの原因、短すぎると作業が窮屈
- 作業中の姿勢と浮力を崩さない:ロープ処理でバタつくと、後段の回収工程が荒れる
- 次の工程に繋がる“ロープの出し口”を作る:結んだあと、リフトバッグ側へスムーズに移れる形
この段取りが整うと、後のリフトバッグ運用(給気・浮力の作り方)も、落ち着いて制御として扱いやすくなります。
③ リフトバッグへのロープ結束(3種類ロープで反復)— “結び目の完成”より“状況対応”
ブロック側の段取りを整えたら、次はリフトバッグ側にどう結束して運用するか。
ここで重要なのは、結び方の暗記ではなく、回収作業の流れの中で確実に固定できること/ほどけないこと/作業が詰まらないことです。
今回は、太さ・長さが異なる3種類のロープを使って反復しました。現場ではロープ条件が一定ではなく、条件が変わると
- 手の中での締まり具合
- 結び目の作りやすさ
- 余りの処理(絡みやすさ)
が変わりやすいからです。ここが崩れると、回収工程は一気に荒れます。
「毎回うまくいくロープ」ではなく、「条件が変わっても破綻しないやり方」を残していきます。
④ シグナルフロート(Surface Marker Buoy/SMB、Delayed Surface Marker Buoy/DSMB)— “知らせる”ための運用
今回は水中作業の流れの中で、シグナルフロートの扱いも確認しました。
ここでは、Surface Marker Buoy(サーフェス・マーカー・ブイ:SMB)と、Delayed Surface Marker Buoy(ディレイド・サーフェス・マーカー・ブイ:DSMB)を区別して考えます。
運用で大事なのは、絡まない/引っ張られない/すぐ手放せるの3点です。
とくにラインが引っ掛かったり、引かれたり、リールが止まったりすると危険につながるため、必要なら即リリースできる状態で扱うのが基本になります。

⑤ リフトバッグへの給気と浮力調整 — “持ち上げる”より“暴れさせない”
リフトバッグは、空気を入れれば揚がります。しかも上昇中は気体が膨張するので、入れすぎると自動的に加速していく方向に働きます。
だから今回の練習は、給気そのものよりも 「狙った浮力に合わせる→少し待つ→必要なら微調整」 を、毎回同じ手順で再現できるようにすることを優先しました。
このパートで整えたかったポイントは、次の3つです。
- 給気は“少量+間”(入れたら反応を待つ。連続で入れない)
- 排気できる状態を作ってから入れる(上げすぎたときに止められる段取りにしておく)
- 絡みのリスクを増やさない配置(ライン系の巻き込みは事故に直結する)
⑥ ウエイト(約8kg)の移動(リカバリー)— “自分の浮力で運ばない”
回収対象(今回は約8kgのウエイト)を動かす場面は、つい「自分の浮力(BCDやドライ)で持ち上げて運ぶ」方向に寄りやすいのですが、これは危ない。
対象を手放した瞬間に、身体が急にプラス浮力になって急浮上するリスクが出ます。
そこで今回の回収は、次の流れを「安全に・同じ品質で」通す練習として行いました。
- 結束(固定):対象の姿勢と結束点を整え、ズレない形にする
- 浮力(作る):少量給気で“持ち上がり始める手前”まで持っていく
- 制御(暴れさせない):上げすぎない/ラインを張りすぎない/引っ掛かりを作らない
- 移動(回収):周囲・バディ位置を保ったまま、短い距離で確実に運ぶ

今日のポイント整理(#07で整えた“運用の芯”)
今回の7日目は、ロープワークを「結べるかどうか」で終わらせず、回収工程として成立させることに軸を置きました。
- 結び目は“用途”で選ぶ
輪/固定/接続。判断の迷いを減らすと、水中で作業が乱れにくくなります。 - ローピングは“段取り”が勝負
取り回し・余り・次工程への出し口まで整えてから、リフトバッグへ繋ぐ。 - ライン系は“即リリース”が前提
SMB/DSMBも回収ロープも、引っ掛かりや引っ張りが起きたときに危険へ直結します。
次回予告(#08)
次回(#08)は日程が確定したタイミングでこの記事の末尾に追記します。
追記内容は「日付・場所・実施項目」の3点セットで揃えます。
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横田メモ(プロの視点)
今回の注目は、ロープを結ぶ技術そのものよりも、「作業の流れの中で“手順”が崩れない準備」です。
陸上と水中では、同じように考えて同じように動けない場面が必ず出てきます。水中は姿勢・浮力・視界・呼吸・周囲確認など、同時に抱える要素が増え、タスクが重なるほど判断が乱れやすい。だからこそ今回は、制約がある状況でも落ち着いて考え、手順を選んで行動できるかを確認する作業でもありました。
安全を最優先にするなら、「今なにをしてはいけないか」「次に何が起き得るか」を先に押さえ、そこから逆算して行動を組み立てられることが重要になります。
落ち着いて、毎回同じ品質で、“型”として安全行動につなげられるか。現時点チェックで“不安な場所”が見えたら、次はそこを狙って整える。それが一番の近道です。
YouTube(記録映像)
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