スキル・ワークショップ(WS)24:WS22|インフレーター・ホースの取り外し
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、BCD(またはウイング)のパワーインフレーターが入れっぱなし(暴走給気)になったときに、低圧インフレーター・ホース(LPI)を水中で外して暴走を止めるための「型」をまとめます。

この記事でできるようになること
パワーインフレーターが故障して空気が入り続けても、落ち着いて排気しながらホースを外し、コントロールされた浮上に戻せます(急浮上リスクの低減)。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(ここが崩れると危険)
- 最優先は「浮きすぎを止める」:入れっぱなしなら、まず排気で増え続ける浮力を抑える。
- 呼吸は止めない:落ち着いてレギュで呼吸を継続。
- 外すのは“ホース側”:BCD側(インフレーター)ではなく、低圧ホースのクイックコネクトを操作する。
- 外した後は「オーラル給気・排気」で管理:ホースが外れてもBCDは排気できる。必要ならオーラル給気で調整する。
① 状況認識(暴走給気のサイン)
- ボタンを押していないのにBCDが膨らみ続ける/浮力が勝手に増える。
- まず排気して浮力上昇を抑える(インフレーターの排気ボタン・ダンプなど、自分の装備で一番確実な排気を使う)。
② 外す準備(外しやすくする“コツ”)
- インフレーターを高くして排気しやすい姿勢を作る(浮きすぎ抑制)。
- クイックコネクト部を目と手の前へ:無理な姿勢でやるほど手順が崩れる。
- ポイント:いったん「押し込む」
ホースを外す前に、コネクタをインフレーター側へ軽く押し込むと、ロックが抜けやすい(力任せに引っ張らない)。
③ インフレーター・ホースの取り外し(本番の“型”)
- ホース(コネクタ)を握る:クイックコネクト(金属のスリーブ/カラー)部を確実に掴む。
- 押す→引く(同時):ホースをインフレーターへ軽く押し込みながら、スリーブ(カラー)を手前に引く。
- ホースを引き抜く:スリーブを引いたまま、ホースをまっすぐ引き抜いて外す。
- 外れたら排気で落ち着かせる:浮力が過剰なら排気を継続して中性〜やや沈み側へ戻す。
④ 取り外し後の運用(安全に“通常運転”へ戻す)
- 中性浮力を作る:必要ならオーラル給気で少量ずつ調整(WS15の型)。
- 浮上が必要ならコントロールして浮上:浮上速度はコンピューターを優先し、速すぎない速度で。
- 水面で確実に浮力確保:オーラル給気で浮力を作れる状態にしてから合図・サポート要請。
⑤ うまくいかない時のリセット(外れない=焦りやすい)
- 外れない:一度止まる → もう一度「ホースを押し込む」→ スリーブを引く → 引き抜く(順番を崩さない)。
- 浮力が増え続けて焦る:排気を最優先 → 可能なら姿勢をやや頭上げにしてガスを逃がし続ける → 外す。
- 手元が見えない:コネクタを体の前へ持ってくる → バディにライトや保持を補助してもらう。
よくあるミス/原因
- 力任せに引っ張る:ロックがかかったままで外れない。→「押す→スリーブ引く→抜く」。
- 排気を止める:外す前に浮力が増え続けて急浮上リスク。→ 排気しながら作業。
- 外した後に何もできなくなる:浮力調整不能と誤解。→ オーラル給気・排気で管理できる。
セルフ合格ライン(3点以内)
- 「排気しながら」ホースを落ち着いて外せる(手順が崩れない)。
- 外す動作を「押す→スリーブ引く→抜く」の順番どおりに再現できる。
- 取り外し後に、オーラル給気・排気で浮力を安定させられる。
安全メモ
暴走給気は「急浮上」につながりやすいトラブルです。
合言葉は 排気しながら外す。焦ったら、まず排気で浮力上昇を止めてから“型”に戻してください。