スキル・ワークショップ(WS)24:WS23|緩んだシリンダー・バンドの締め直し
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、潜水中にタンク(シリンダー)がズレて「引っ張られる」「重い」「バランスが崩れる」などの違和感が出たときに、落ち着いて緩んだシリンダー・バンドを締め直すための“型”をまとめます。

この記事でできるようになること
タンクがズレても慌てずに、バディと連携しながら、姿勢と浮力を崩さずにバンドを締め直し、再発しない状態へ戻せるようになります。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(ここが崩れると危険)
- 最優先は呼吸と浮力:作業前に中性で止まれる状態を作る(上下動を止める)。
- バディとセットで実施:合図→保持→締め直し、の役割分担で精度が上がる。
- タンクを“上げすぎない/下げすぎない”:締めたあとに呼吸しづらい・頭に当たる等の原因になるので、位置を決めてから締める。
- 締め直し後の確認までが1セット:締めたつもりが一番危ない。最後に必ずチェック。
① 異常のサイン(気づきポイント)
- タンクが背中でカタカタ動く
- レギュホースが引っ張られて頭が引かれる/姿勢が崩れる
- 身体を起こすとタンクが下がる感覚
② 合図と体勢づくり(締め直し前の準備)
- バディへ合図:タンクが緩んだことを伝える。
- 止まって安定:中性浮力で停止(手で漕がない/フィンで踏ん張らない)。
- バディが“保持役”:バディはタンク上部やバルブ付近を軽く支えて、ズレを止める。
③ 締め直し(基本の“型”)
- 原因を切り分ける:
- バンドそのものが緩んでいる(バックルが甘い)
- タンク位置がズレて、バンドが“効かない位置”になっている
- バックル(カム)を開く:無理に締め増ししない。いったん開いて作り直す方が確実。
- タンク位置を整える:
- バディがタンクを支えたまま、元の適正位置へ戻す
- 目安:頭に当たらず、レギュ・ファーストが安定し、背負って違和感がない位置
- バンドのたるみを取る:
- ストラップを引いて「ループを小さく」し、タンクに密着させる
- この時点で、バンドがねじれていないか確認
- バックルを閉じて固定:
- バックルを倒してロック
- 倒し切った感触が出るまで確実に(中途半端にしない)
- 仕上げに“ズレ確認”:
- タンクを軽く揺らして、動かないことを確認
- BCを少し動かしても、タンクが下がらないことを確認
④ うまくいかない時のリセット(締まらない=焦りやすい)
- バックルが閉じ切れない:バンドがきつすぎる可能性 → ほんの少しだけ緩めてから閉じる
- 締めてもすぐズレる:タンク位置が悪い/バンドがタンクの細い部分にかかっている可能性 → 位置を整えて作り直す
- 手元が見えにくい:バディに保持と照明(ライト)を依頼し、落ち着いて順番どおり
よくあるミス/原因
- “締め増し”だけで済ませる:根本的にたるみが取れておらず再発しやすい → 一度開いて作り直す。
- タンク位置を決めずに締める:締めたあとに頭に当たる/低すぎる → 位置を整えてから固定。
- バックルが半ロック:閉じたつもりでズレる → 倒し切ってロックの感触まで。
- 締め直し後の確認をしない:動いたまま泳ぎ出して再発 → 揺らして確認までが1セット。
セルフ合格ライン(3点以内)
- 中性浮力で止まり、バディと連携して落ち着いて作業開始できる。
- バックルを一度開き、タンク位置を整えて締め直しを作り直せる。
- 締め直し後に、タンクを揺らしてズレないことを確認できる。
安全メモ
タンクがズレたまま我慢して泳ぐと、姿勢が崩れて疲れやすくなり、ホースに負担もかかります。
合言葉は 止まる → 位置を整える → 作り直す → 確認する。この順番に戻れば、焦りは消えます。