スキル・ワークショップ(WS)24:WS15|オーラルを使ってBCDに空気を入れ、少なくとも60秒間ホバリング
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、パワー・インフレーターに頼らず、オーラル(口)でBCDへ給気しながら、少なくとも60秒ホバリングを維持するための「型」をまとめます。

この記事でできるようになること
給気ホースのトラブルや微調整が必要な場面でも、オーラル給気で浮力を整え、その場で安定して止まれるようになります。
結果として、中性浮力の再現性が上がり、スキル練習や安全停止の安定にも直結します。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(失敗の原因を先に潰す)
- 呼吸は常にレギュで確保:オーラル給気でも、呼吸は口(レギュ)で安定させる。
- 止まってからやる:泳ぎながら給気しない。まず停止して姿勢と浮力を落ち着かせる。
- オーラル給気は「小さく・回数で」:一気に入れない。少量を足して“待つ”。
- 入れたら1〜2呼吸待つ:反応は遅れて出る。連打すると上下動が暴れる。
- 目標は「上下動しない60秒」:上がり下がりを止めるのが合格。
① セットアップ(ホバリングの土台づくり)
- 水底に近すぎない場所で停止:着底しない距離を確保(目安:少し余裕のある高さ)。
- 姿勢を整える:基本は水平に近い姿勢。手は動かさず、フィンも止める。
- 呼吸を一定に:深呼吸で上下しないよう、普段のリズムに戻す。
- BCDの空気量を“少なめ”からスタート:余分な空気が多いと、浅場で暴れやすい。
② オーラル給気で「中性」を作る(給気の型)
- オーラル給気の準備:インフレーター(口で吹き込む部分)を取りやすい位置へ。
- レギュで吸う:まずは落ち着いて吸気(焦り防止)。
- インフレーター口元へ:口をインフレーターへ近づける(レギュは手で保持して確実に戻せる状態に)。
- 少量を吹き込む:短く「フッ」と吹く(“1回分だけ”入れる)。
- すぐレギュへ戻して呼吸:呼吸を再び安定させる。
- 1〜2呼吸待つ:体が止まるか、ゆっくり沈む/浮くかを観察する。
- 足りなければ繰り返す:「少量追加 → 待つ」を繰り返して、上下動が止まる点へ合わせる。
③ 60秒ホバリング(評価の取り方)
- “止まった瞬間”を作る:上下動が止まったら、そこがスタート地点。
- 60秒間キープ:手で漕がない、フィンで踏ん張らない(推進ゼロで維持)。
- ズレたら最小操作で戻す:沈むなら「少量オーラル給気」、浮くなら「小刻み排気」。
④ うまくいかない時のリセット(最短で整える)
- 上下動が大きい:いったん止まる → 呼吸を一定に → BCDの空気量を“少なめ”へ戻す(排気)→ 少量オーラル給気で作り直す
- 浮きやすい:排気姿勢を作る → 小刻み排気 → 待つ(キックで抑え込まない)
- 沈みやすい:少量オーラル給気 → 待つ(連打しない)
よくあるミス/原因
- 吹き込み量が大きい:一気に浮力が増え、上がりすぎて暴れる。→ 少量を回数で。
- 入れてすぐ連打する:反応を待たずに入れ続けて上下動が増幅。→ 1〜2呼吸待つ。
- 呼吸が大きすぎる:肺だけで上下してしまう。→ 普段の呼吸リズムへ。
- 手で漕ぐ/フィンで踏ん張る:その場で止まれず、評価がブレる。→ 推進ゼロで維持。
- 姿勢が崩れる:頭上がり/足下がりで浮力変化が出やすい。→ まず姿勢を整える。
セルフ合格ライン(3点以内)
- オーラル給気を少量ずつ行い、操作後に待てる。
- 手で漕がず、フィンで踏ん張らず、上下動を止めた状態を作れる。
- 少なくとも60秒、その場でホバリングを維持できる。
安全メモ
このスキルは「肺」だけで頑張るのではなく、呼吸を一定にしつつ、BCDのベース浮力をオーラルで整える練習です。
焦ったら、止まって、少量給気→待つ。これが最短ルートです。