【ダイブマスターへの道 #06】2026/02/06(金)6日目|恩納村ボート2ダイブ(山田ポイント)|24スキルWS「基本動作×トラブル対応」現状確認
ダイブマスターへの道|BlueLeaf DMトレーニング記録
このシリーズでは、DMコースで「何を」「どんな流れで」「なぜ」取り組むのかを、現場の目線で記録しています。
ブルーリーフのDMは、形だけの“実施”で終わらせず、安定して再現できるプロ基準に向けて、積み上げの過程を残します。
おはようございます。
沖縄・恩納村ダイビングショップ「ブルーリーフ」の横田です。
今回は、2026年2月6日(金)に実施したDMコース6日目。恩納村・山田ポイントでのボート2ダイブです。
24スキルWSは前回に続き、合否のジャッジではなく、「今の状態を把握して、次の練習を狙い撃ちするための確認」として行っています。

今日のねらい(“こなす”より、“崩れない土台”を作る)
今回のテーマは、基本動作を「できる」で止めず、条件が変わっても破綻しない形にすること。
水面〜水中〜浮上まで、手順が一連でつながっているかを見ながら、プロとしての再現性を整えていきます。
今日のメニュー(24スキルWS:実施項目)
- プレダイブ・セーフティ・チェック(BWRAF)
- ディープ・ウォーター・エントリー(バックロール)
- レギュレーター・リカバリーとクリア
- 中性浮力での上下動(パワーインフレーター使用)
- オーラルでBCDに給気→60秒ホバリング(複数深度)
- 水中でのマスクなし移動
- 水中でのウエイト・システム/スクーバキットの脱着
- インフレーター・ホースの取り外し
- 緩んだシリンダー・バンドの締め直し
- コントロールされた緊急スイミング・アセント(CESA)
- エマージェンシー・ウエイト・ドロップの実施
- ヘッドファースト・サーフェスダイブ(スノーケルは口から外して)
① プレダイブ・セーフティ・チェック(BWRAF):水面で“事故の芽”を摘む
BWRAFは、潜る前にバディ同士で行う「事前安全確認」の型です。
DMとして大事なのは、自分だけできることではなく、相手にも同じ手順で実行させられること。つまり“再現できるチェック”になっているかを見ます。
手順(BWRAFの流れ)
- B:BCD|装着状態・ホース接続を確認し、給気と排気が正常に動くか
- W:Weights|付け方・量・位置。クイックリリースが引ける向きで動くか
- R:Releases|肩・胸・腹などの締結。締まっているが緊急時は外せる状態か
- A:Air|残圧・バルブ開閉・呼吸の通り。オクト位置と取り出し方も共有
- F:Final OK|マスク・フィン・計器・コンピューター・ホース取り回し等を総点検
今回のチェック観点
- 「You good?」で終わらず、項目ごとに確認が成立しているか
- 迷うポイント(オクト位置、排気バルブ、リリース方向など)を潜る前に解消できているか
- 実際の動作確認(給排気・呼吸)まで到達しているか
② ディープ・ウォーター・エントリー(バックロール):入水は“静かに安全に”が正解
バックロールは、器材を崩さずに水へ入るための代表的なエントリーです。大事なのは勢いではなく、入水の瞬間に「外れる・ぶつかる・絡まる」を起こさない準備です。
手順(型として揃える)
- 着座位置を作る(入水エリアの安全確認)
- 器材の“暴れ”を止める(オクト・ゲージ類、ホース取り回し)
- マスク+レギュ固定(外れポイントを先に潰す)
- 足を揃える(バタつきを抑える)
- あごを引いて、静かにロール
- 水面で周囲確認→OK→合流
今回のチェック観点
- 入る前に整っているか(ホース・アクセサリ・オクト位置)
- 固定が甘くないか(マスク・レギュのズレ)
- 姿勢が崩れないか(足が開く/回転しすぎる)
- 水面での合流が速いか(OK→次の動作へ)

③ レギュレーター・リカバリーとクリア:呼吸を切らずに“元へ戻す”
レギュが口から外れる状況は、現場では普通に起こり得ます。
DMでは「戻せる」だけでなく、落ち着いて・ゆっくり・手順通りに見せられることが重要です。
手順(型:スイープ法を軸に)
- まず吸って余裕を作る
- 外したレギュは下向きで保持
- 小さく泡を出し続ける(息を止めない)
- 右腕を大きく回すスイープでホースを拾う
- 口に戻す→クリア(パージまたは呼気で排水)→呼吸確認
今回のチェック観点
- 慌てて動作が速くならない
- スイープが小さすぎず、確実に拾えている
- クリアが雑にならず、呼吸確認までできる
④ 中性浮力での上下動(パワーインフレーター使用): “エレベーター操作”にしない
目的は、パワーインフレーターで上下することではなく、中性を保ったまま、狙った幅で上下を制御できるかの確認です。
手順(型:少量操作+待つ)
- まず中性を作る(基準点)
- 上げたい時:呼吸→足りなければ短く給気→反応を待つ
- 下げたい時:吐く→足りなければ排気(排気点が上になる姿勢を作る)
- 上下幅を揃える(操作量より呼吸・姿勢・待つ時間で調整)
- 最後に停止(中性へ戻す)
今回のチェック観点
- 給気が長押しになっていない
- 操作のたびに“待てる”
- 排気姿勢が取れている
- 手足で無理に止めず、呼吸と姿勢で整えている
⑤ オーラルでBCDに給気→60秒ホバリング(複数深度):深度が変わっても“同じ品質”で止まれる
このスキルは、オーラル給気そのものが目的ではなく、中性を自分の力で作って、60秒を同じ品質で維持できるかの確認です。
今回は複数深度で実施し、深度が変わっても“型”が崩れないかを見ます。
手順(型:少量で刻む→待つ→呼吸で仕上げる)
- まず止まれる姿勢を作る(水平寄り、手は体の近く、フィンは止める)
- レギュを外す→少量だけ吹き込む→レギュに戻す→クリアして呼吸を整える
- 入れたら待つ(連打しない)
- 最後は呼吸で微調整
- 60秒ホバリング(深度・姿勢・テンポを揃える)
今回のチェック観点
- 少量で刻める(入れ過ぎない)
- レギュの出し入れで姿勢が崩れない
- 深度が変わっても同じ品質で止まれる
- “待つ”ができる

⑥ 水中でのマスクなし移動:視界ゼロでも“呼吸と姿勢”を崩さない
我慢大会ではなく、マスクが外れたり水が入った状況でも、呼吸を保って落ち着いて移動できるかの確認です。
手順(型:呼吸を守って、コンパクトに進む)
- 中性付近で停止して準備
- マスクを外して手で保持(離さない)
- 口呼吸を一定に(鼻は軽く吐くイメージ)
- 小さく前進(ゆっくり、バタつかない)
- 停止→OK(不安が出たら止まって整える)
今回のチェック観点
- 呼吸が乱れない
- 姿勢と深度が保てる
- 動作が速くならない
- マスクを確実に保持できる

⑦ 水中でのウエイト・システム/スクーバキットの脱着:器材を“手放さずに扱える”か
器材トラブルや調整が必要な状況で、水中でも落ち着いて器材を扱い、元の状態へ戻せるかの確認です。
共通の前提(作業前に“止まる”)
- バディに合図して位置関係を揃える
- 中性付近で安定してから作業に入る
- 外したらその場で保持(落下させない)
A)ウエイト・システムの脱着(水中)
- 安定して止まる
- リリースを確認して外す(保持する)
- 必要な位置調整
- 戻して固定→目視確認
B)スクーバキット(BCD+タンク)の脱着(水中)
- 中性と姿勢を固定
- リリースを順に外す
- ユニットを体から外す(手放さずコントロール)
- 装着へ戻す(外した順を意識)
- ホース整理・オクト位置・締結確認までで完了
今回のチェック観点
- 作業中も深度が暴れない
- 外した瞬間にバタつかない
- 戻す工程がきれい(整理と確認まで)
⑧ インフレーター・ホースの取り外し:給気トラブル時の“切り離し対応”
目的はホースを外すことではなく、給気系の異常に対して落ち着いてエア供給を遮断できるかの確認です。
手順(型:押す→引く、で外す)
- 姿勢と浮力を安定(動きながらやらない)
- 接続部を見える位置へ
- ホース側のカラー操作でロック解除
- いったん軽く押し込む→その後に引き抜く
- 外したら保持→必要ならダンプで浮力を整える
今回のチェック観点
- 外す前に止まれている
- 操作が丁寧(迷いがない)
- 外した後の整理までできる

⑨ 緩んだシリンダー・バンドの締め直し:ズレを“その場で戻せる”か
バンドが緩むとタンクが下がったり回ったりして姿勢が崩れます。DMでは「気づける→合図できる→落ち着いて直せる」までがセットです。
手順(型:合図→安定→位置→締め→確認)
- 異常を認識→バディへ合図→同意確認
- 中性で止まる(作業前に安定)
- シリンダー位置を戻す
- カムバックルを開く→バンドを引いて締め直す→固定
- 揺らして動かないか確認→ホース整理までで完了
⑩ コントロールされた緊急スイミング・アセント(CESA):最後まで“制御”で上がる
CESAは、万が一代替の空気源が確保できない状況を想定した緊急手順のひとつです。
重要なのは、焦って速く上がることではなく、上方確認・呼気の継続・浮上速度の管理を最後まで守ること。
手順(型:上を見る/呼吸を切らない/速度を守る)
- 状況を伝える(合図)→浮上へ移行
- 上方確認+頭上保護
- 呼吸を止めずに吐き続ける
- 規定の浮上スピードを超えない
- 水面到達後、すぐにプラス浮力を確保
⑪ エマージェンシー・ウエイト・ドロップ:浮力を“即座に確保する”最終カード
このスキルは「派手に落とす」ためではなく、水面で浮力が足りない状況を短時間で立て直すための手段です。
手順(型:分ける→一気に離す)
- 水面で呼吸を確保→バディへ合図
- リリースの干渉がないか確認(ホース・ストラップ等)
- 周囲の安全確認は“別工程”として済ませる
- 引く→そのまま即リリース(持たない・渡さない・置かない)
- 浮力が出たらOK→次の安全行動へ

⑫ ヘッドファースト・サーフェスダイブ:水面から“まっすぐ潜れる”基本技
水面から素早く沈降に入るための基本動作です。ポイントは勢い任せではなく、姿勢と体重移動で縦のラインを作ること。
手順(型:スノーケルを外して、縦のラインを作る)
- 進行方向と安全確認(人・船底・ロープ等がない)
- スノーケルを口から外す
- 上体を折って頭を下へ(視線は水面下)
- 脚を上げて体重を乗せる(パイク/タックいずれでもOK)
- 最初の数キックを丁寧に(姿勢を流さない)
本日の整理(#06で見えた“次の一手”)
今回の6日目は、24スキルWSを通して「基本動作を、崩れない手順としてつなげる」ことに集中しました。
実施項目は多いですが、狙いはひとつ。動作単体ではなく、一連の流れとして安定しているかの確認です。
- BWRAF→エントリー→水中作業→浮上まで、流れが切れずに続くか
- 作業系(脱着/ホース外し/バンド締め)で、姿勢と浮力が乱れたときに立て直せるか
- 緊急系(CESA/ウエイトドロップ)は、速さより落ち着きと制御が優先になっているか
次回予告 #07(7日目:スキルチェック)
2026年2月25日(水)
場所:恩納村・山田ポイント(ボート2ダイブ)
今回のテーマは、水中での作業力チェック。
「結べるか」ではなく、水中環境でも“使える形”で成立するかを確認します。
実施スキル
- 水中ロープワーク(3種類)
バウライン/シートベント/ツーハーフヒッチ - シグナルフロートの使い方(上げ方・扱い方の確認)
- サーチ&リカバリー(回収パートのみ)
ロープワークと組み合わせた「回収動作」に限定して実施
横田メモ(プロの視点)
今回のポイントは、緊急スキルを増やすことより、想定外が起きた瞬間の“初動”を整えること。
まず止まって呼吸を整え、状況を一回クリアにしてから、必要な動きを選ぶ。
この“最初の数秒”が安定すると、手順は自然とつながり、判断もブレにくくなります。
合言葉:「焦ったら、一回止まる」
YouTube(記録映像)
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- #07は公開後に追記します