スキル・ワークショップ(WS)24:WS03|ディープウォーター・エントリー
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、ボートや桟橋など足が着かない深い水面へ安全に入水する「ディープウォーター・エントリー」を、状況別に再現できる粒度でまとめます。

この記事でできるようになること
ディープウォーター・エントリー(主にジャイアント・ストライド/バックロール)を、合図→入水→水面での整えまで一連で実行できるようになります。
入水時のマスクずれ・レギュ外れ・フィン脱げ・他ダイバーへの接触などのリスクを減らせます。
手順(読めば再現できる手順書)
0)入水前の共通ルール(どの入水でも最優先)
- 合図と順番:船長/ガイド/クルーの指示(「入ってOK」「次どうぞ」)を待つ。
- 水面の安全確認:下に人がいない/障害物がない/流れが強すぎないことを目で確認。
- BCDは“少し多めに”浮く状態:入水直後に沈まないように、表層で確実に浮ける量を確保。
- 押さえる場所は固定:片手でマスク+レギュを押さえる。もう片手でゲージ類・オクト・ウエイトなどの「ぶら下がり」を抑える。
- 口はレギュ:基本はレギュをくわえた状態で入水(口呼吸の不意打ちを避ける)。
- 入ったらすぐOK:水面で浮力確保→「OK」サイン→エントリーポイントを空ける。
① ジャイアント・ストライド(大きく一歩で入水)
(1)構え
- 立ち位置:エントリー口の端に立ち、バランスが取れる位置へ(つま先を少し出す程度)。
- 押さえる:片手でマスクとレギュを押さえる。もう片手でゲージ・オクト・カメラ等のぶら下がりを抑える。
- 視線:基本は前(水平)を見る。足元を見すぎると体が丸まりやすい。
- 最終確認:フィンのストラップ、胸ベルト、オクト位置、ゲージの引っ掛かりをサッと確認。
(2)入水
- 合図を待つ:前の人が離れて「水面が空いた」ことを確認。
- 大きく一歩:ジャンプしない。一歩で前に踏み出す(体は直立に近い)。
- 足は軽く開く:入水時にフィンが当たりにくくなり、姿勢が安定しやすい。
(3)水面での整え(最重要)
- 浮いているか確認:沈みそうならBCDに少し給気。
- OKサイン:クルー/バディに「OK」を見せる。
- エントリー口を空ける:次の人のために、数m横へ移動して待機。
- バディ確認:互いにマスク・レギュ・フィンのズレ、ホース絡みを目視確認。
② バックロール(座って後ろへ回転して入水)
(1)構え
- 座り方:船縁に腰掛け、タンクが水面側に出る位置へ(安定して座る)。
- BCDは浮く量を確保:入水後に沈まない状態にしておく。
- 押さえる:片手でマスク+レギュ、もう片手でゲージ・オクト・小物を抑える。
- 顎を引く:首を守るために顎を軽く引く(反りすぎない)。
(2)入水
- 下を確認:人や船体の構造物がないか。
- 後ろへ倒れる:勢いよく飛ぶ必要はなく、重心を後ろへ移してスムーズに回転。
(3)水面での整え
- 浮力確保:沈みそうならBCDへ給気。
- OKサイン→エントリー口を空ける。
- 装備のズレ確認:マスク、レギュ、フィン、ホース絡み。
③ 迷ったときの判断基準(安全優先)
- 風・うねりが強い:クルーの合図に合わせ、船の動きが落ち着くタイミングで入水する。
- 高さがある:無理にジャイアント・ストライドを選ばず、指示があれば別方法に切り替える。
- 器材が不安:その場で止めて整える(入ってから直すと難易度が上がる)。
よくあるミス/原因
- マスクがずれる/レギュが外れる:押さえ方が甘い/入水時に顔を下へ向けすぎている。
- 入水直後に沈む:BCDの空気量が少ない/呼吸が止まる/緊張で動きが硬い。
- フィンが脱げる:ストラップのねじれ/サイズ不一致/事前確認不足。
- 次の人とぶつかる:入水後にエントリー口を空けない/OKサインが遅い。
- ホースが引っかかる:ぶら下がりの放置/固定位置が毎回バラバラ。
セルフ合格ライン(3点以内)
- 合図待ち→入水→水面で浮力確保→OK→エントリー口を空ける、を止まらず実行できる。
- 入水後にマスク/レギュ/フィンのズレがなく、即座にバディ確認ができる。
- うねり等の条件でも、無理をせず中断・再調整の判断ができる。
安全メモ
ディープウォーター・エントリーは「入水そのもの」より、入水後に落ち着いて浮力を確保し、合図して場所を空けるところまでがセットです。
急がず、合図と順番を守り、異常があれば水に入る前に止めるのが最短で安全です。