スキル・ワークショップ(WS)24:WS02|プレダイブ・セーフティ・チェック(BWRAF)
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事は、潜る前に行う最重要の相互チェック「プレダイブ・セーフティ・チェック(BWRAF)」を、迷わず実行できる形に落とし込みます。

この記事でできるようになること
潜水前に、バディと一緒にBWRAFを順番どおりに実施し、見落とし(緩み・未接続・残圧不足・ウエイト不備など)を出発前に潰せるようになります。
手順(読めば再現できる手順書)
0)前提:このチェックのゴール
- 「正しい状態」になっているかを出発前に確認する
- お互いに見合う(自分だけだと見落とす)
- 順番を固定して、緊張・疲労・時化でも崩れないようにする
① BWRAFの流れ(基本はこの順番で固定)
以下は一般的な「BWRAF」の考え方に沿った内容です(表現は各団体の基準を踏まえつつ、現場で通じる形に整理しています)。
B:BCD(浮力調整具)
- インフレーター接続:LPホースが「カチッ」と入って抜けない。
- 給気テスト:パワーインフレーターで空気が入る。
- 排気テスト:インフレーター排気/各ダンプバルブで空気が抜ける(複数ルート確認)。
- 固定状態:BCDがタンクにしっかり固定されている(バンドが緩んでいない)。
W:ウエイト
- 適正量:当日のスーツ・環境に対して適正なウエイト量。
- 装着状態:ベルト/ポケットが正しく装着され、ずれない。
- リリース確認:緊急時に外せる向き・方法を、バディと相互に確認(どっちに引く/どこを掴む)。
- 邪魔がない:ホースやアクセサリーがリリース動作を妨げない。
R:リリース(Releases)
- すべてのリリース類が正しく固定されている:オクトパスやゲージホースなど、ホルダーやポッケとに収容できている。
- 調整が適切:緩すぎず締めすぎず、動いてもズレない・呼吸や動作を妨げないフィットになっている。
- 作動する(外せる):必要時に外せる状態かを確認する(ねじれ・噛み込み・ホースや小物の挟まりがない)。
- BCDとウエイトの“リリース”を再確認:BCD側のバックル類に加え、ウエイトシステムのリリースも、外し方・向き・引く場所が明確になっている。
- バディが操作できる状態になっている:バディがあなたのリリース位置と外し方を理解している(お互いに確認して一致させる)。
A:エア(空気源)
- 残圧:十分な残圧がある。
- バルブ全開:タンクバルブが開いている(中途半端開きはNG)。
- 呼吸チェック:メイン2ndで呼吸して異音・吸気抵抗がない。
- 予備2nd(オクト):呼吸して正常、すぐ取れる位置に固定されている。
- ゲージ確認:呼吸時に針が大きく落ち込まない(異常のサイン)。
- リーク確認:シューッという漏れ音がない(接続部も目視)。
F:最終確認(Final OK)
- マスク・フィン:装着準備OK、フィンストラップのねじれなし。
- ホースの取り回し:引っ掛かり/絡みがない(左右に体をひねって確認)。
- 器材のぶら下がり:アクセサリーやSPGがぶら下がらず、破損・環境負荷を出さない。
- エントリー方法の共有:合図、手順、集合位置をバディと一致させる。
- 迷ったら中断:不安があれば出発前に止めて整える(海に入ってから直すのは難易度が上がる)。
よくあるミス/原因
- バルブの開け忘れ/半開き:急いで準備して、確認が「口頭だけ」になっている。
- インフレーター未接続:接続後の「軽く引く確認」を省略している。
- ウエイトのリリース方向が共有できていない:自分は分かっているが、バディが知らない。
- オクトが取りづらい:固定位置が毎回変わる/ホースが絡む。
- チェックが雑になる:順番が固定されておらず、気分で飛ばしている。
セルフ合格ライン(3点以内)
- BWRAFを止まらず順番どおりに言える・実行できる。
- エア(メイン/予備)とBCD(給気/排気)がその場で正常確認できる。
- ウエイトのリリースを、バディがあなたの装備で迷わず説明できる。
安全メモ
このチェックは「作業」ではなく事故の芽を出発前に摘む手順です。
海に入ってからの修正は難易度が上がります。違和感があれば中断して整えるのが最短で安全です。