スキル・ワークショップ(WS)24:WS24|エマージェンシー・ウエイト・ドロップの実施
WS24(ダイブスキル・ワークショップ(24スキル))は、一般ダイバー/ブランクダイバーが手順を体系的に復習できるように作った「1スキル=1記事」の手順書シリーズです。
この記事では、緊急時にためらわずにウエイトを投棄して浮力を確保する「エマージェンシー・ウエイト・ドロップの実施」を、読めば再現できる粒度でまとめます。

この記事でできるようになること
水面やごく浅い状況で「浮けない/浮き続けられない」緊急時に、ウエイトのクイックリリースを迷わず実行し、浮力を確保して呼吸を守るまでを一連で行えるようになります。
※これは「ウエイトの脱着(外して保持して戻す)」とは別スキルです(WS17・WS20)。
手順(読めば再現できる手順書)
0)最初に固定するルール(ここが崩れると意味がなくなる)
- 目的は“浮力確保”:投棄のゴールは「確実に浮ける状態」を作ること。
- ためらわない:緊急時は、ウエイトより呼吸が最優先。
- 投棄後は“浮くまでがセット”:投棄→BCD給気(可能なら)→呼吸確保→合図、まで。
- 練習は監督下:実際の投棄は浮力が急増します。練習は必ず管理された環境で。
① 実施する状況(判断の目安)
- 水面で浮けない/浮き続けられない(疲労・波・器材トラブルなどで沈みそう)
- BCDで浮力が確保できない(給気できない/破損など)
- 救助の初動で「まず確実に浮く」必要がある
② 投棄前の最短セット(1〜2秒でやる)
- 呼吸を確保:水面なら顔を上げ、レギュが使えるならレギュで呼吸を続ける。
- 姿勢を安定:できるだけ頭を上げ、沈み込みを止める。
- リリース位置へ手を運ぶ:ウエイトのリリース(バックル/ポケット)に手を置く。
③ 投棄(ウエイトベルトの場合:最短の“型”)
- バックル位置を探す(クイックドロー):腰(ヒップ)→ベルト→バックルの順で手を滑らせ、位置を確実に捉える。
- バックルを解除:開放動作を一発で。
- 身体から“前に外して”落とす:足や器材に引っ掛けないよう、身体の前でクリアして投棄する。
- 浮いたか確認:確実に浮く状態になったか(沈み込みが止まったか)を体感で確認。
④ 投棄(インテグレーテッド・ウエイトの場合:最短の“型”)
- 片側ずつ(基本):左右同時ではなく、まず片側を確実に投棄。
- リリースを操作→ポケットを抜く:抜けた瞬間に身体の前へクリアして投棄。
- 浮いたか確認:まだ沈み込みが止まらない場合のみ、反対側も投棄。
- 目標は“必要量だけ”:状況によっては「全部」ではなく「浮くのに必要な分」でOK(確実に浮けることが最優先)。
⑤ 投棄後(ここまでが1セット)
- 浮力の追加:可能ならBCDへ給気して浮力を安定させる。
- 呼吸を整える:水面で呼吸を確実に確保。
- 合図・助けを呼ぶ:バディ/ボート/岸へ状況を伝える。
- 落ち着いて移動:安全な場所(ボートはしご・浮環・岸など)へ。
⑥ うまくいかない時のリセット(焦りやすいポイント)
- バックル/ポケットが見つからない:腰→ベルト→リリースの順で手を滑らせて探す(探し方を固定)。
- 解除したのに落ちない:身体の前でクリアできていない可能性 → 前へ外してから投棄。
- 投棄したのに浮かない:BCDの追加給気(可能なら)→それでも沈むなら追加投棄(インテグなら反対側)を検討。
よくあるミス/原因
- ためらって投棄が遅れる:沈み込みが強くなるほど作業難易度が上がる。→「浮力確保が最優先」を固定。
- 解除はできたが身体の前にクリアできない:足・器材・身体に引っ掛ける。→“前に外して落とす”をセットで覚える。
- インテグで左右同時に抜く:姿勢が崩れ、次の行動が遅れる。→片側→浮力確認→必要なら反対側。
- 投棄後に何もしない:浮いても呼吸・体勢が安定しない。→投棄後はBCD給気→呼吸→合図まで。
セルフ合格ライン(3点以内)
- リリース位置を迷わず見つけられる(探し方が固定されている)。
- 解除→身体の前へクリア→投棄、までを流れで実行できる。
- 投棄後に浮力を安定させ、呼吸確保と合図まで行える。
安全メモ
このスキルは「ウエイトを捨てる」のが目的ではなく、浮力を確保して呼吸を守るための最終手段です。
迷ったら、呼吸が守れる選択を優先してください。