スキル・ワークショップ(WS)24:WS01|器材セッティング(組立と取外)、準備、装着と調整
このシリーズの正式名称は ダイブスキル・ワークショップ(24スキル)、略称は WS24 です。
一般ダイバー/ブランクダイバーが、「読めば再現できる」粒度で復習・上達できるように、手順を体系化しています。
※対象器材について:本記事の手順は、一般的なレンタルでも多い ヨーク型を前提にしています。DIN(海外に多い)仕様は形状が異なるため、該当する場合はショップの器材に合わせて読み替えてください(基本の安全思想は同じです)。
この記事でできるようになること
タンク(シリンダー)とレギュレーター、BCDを安全に組み立て/取り外しでき、装着と調整までを迷わず行えるようになります。
「どこを、どの順番で、何を確認するか」が明確になるので、ブランク明けの不安を減らせます。

手順(読めば再現できる手順書)
0)作業の基本ルール(最初にこれだけ)
- 落ち着いて、順番を固定する(焦るほどミスが増えます)
- 空気(バルブ)は最後に開ける(組み立て中の誤作動を防ぐ)
- タンクは倒れない状態に固定(ベンチ/ラック/寝かせる)
① タンク(シリンダー)の準備
- タンクの転倒防止:ラックに置く/寝かせる/足で支えるなど、倒れない状態にする。
- バルブ周りの目視:Oリングの有無、傷、砂、塩噛みがないかを見る。
- 軽くエアを出す(ブロー):タンクバルブを一瞬だけ開けて、ゴミや水分を飛ばす(周囲・自分の顔の向きに注意)。
- バルブを閉める:ブロー後は必ず閉めてから次へ。
② BCDをタンクに固定(シリンダーバンド)
- バンドを緩める:バックルを開き、バンドを通して十分に緩める。
- 高さを決める:タンクの首(ショルダー)とBCDの位置関係を一定にする(毎回同じ基準にすると安定)。
- 真っ直ぐ装着:BCDがねじれない/斜めにならないように、背面がタンクに密着する位置に合わせる。
- 強めに締める:濡れると緩みやすいので、最初はしっかりテンションをかける。
- バックル固定:バックルを確実に倒してロック。余りベルトはブラブラしないようにまとめる。
- 最終チェック:BCDの上を持って軽く揺すり、タンクがズレないことを確認。
③ レギュレーター取り付け(ヨーク版)
- レギュの向きを確認:1stステージ/ホースの向きが自然に体側へ回る向きになっているか(無理なねじれを作らない)。
- ダストキャップ確認:ダストキャップが外れていること、接続面が濡れていないことを確認(濡れはトラブルの元)。
- 接続面を合わせる:タンクバルブの当たり面に、1stステージをまっすぐ当てる。
- ヨークスクリューを締める:手でしっかり締める(工具で過度に締めない)。
- ホースの取り回し:2nd(メイン/予備)、インフレーター、ゲージ類が絡まず、引っ張られない配置に整える。
④ BCDインフレーターを接続(LPホース)
- 接続前に確認:インフレーター側の差し込み口に砂・異物がないか。
- カチッと接続:スリーブを引いて差し込み、「カチッ」で固定。
- 軽く引いて確認:抜けないことを確認(接続不良の早期発見)。
⑤ エアを開ける(ここからが本番チェック)
- ゲージを見ながら、ゆっくり開ける:タンクバルブをゆっくり全開に近づける(急開けはトラブルを誘発)。
- 残圧確認:予定に対して十分な残圧があるか確認。
- リーク(漏れ)確認:シューッという音がないか、接続部(ヨーク周り)を耳と目でチェック。
- 2ndの作動確認:メインと予備で呼吸して、吸気が重くない/異音がないか。
- ゲージの針の動き:呼吸時に大きく落ち込まないか(異常のサイン)。
⑥ BCDの作動確認(給気・排気)
- パワーインフレーターで給気:スムーズに空気が入るか。
- 排気(複数ルート):インフレーター排気/各ダンプバルブで抜けるか。
- ホースのねじれ:無理なテンションがかかっていないか。
⑦ 装着とフィット調整(陸上)
- 肩・腹・胸(スターナム):締める順を固定(例:腹→肩→胸)。
- 肩は「締めすぎない」:呼吸が浅くならない程度に。動かしても痛くない範囲。
- 胸ベルトは高すぎ・低すぎ注意:首を圧迫しない/呼吸を妨げない位置。
- オクト(予備2nd)固定:すぐ取れる位置に固定(ぶら下げない)。
- ゲージ位置:見やすく、引っ掛けない位置へ。
- 最終の“取り回し”:ホースが腕や首に絡まないか、左右に動いて確認。
⑧ 取り外し(分解)の手順(逆順が基本)
- バルブを閉める:タンクバルブを確実に閉める。
- 残圧を抜く:2ndを押して空気を抜き、ゲージが落ち切るまで。
- インフレーターのエアを抜く:BCD内の空気も排気しておく(持ち運びがラク)。
- LPホースを外す:スリーブを引いて外す。
- レギュを外す:ヨークスクリューを緩め、真っ直ぐ外す。
- ダストキャップ装着:接続面が濡れていないことを確認して装着。
- BCDをタンクから外す:バックルを開け、バンドを緩めて外す。
よくあるミス/原因
- ヨーク部からの漏れ:Oリングの劣化・砂噛み・当て面が斜め・締め不足。
- タンクバンドが水中で緩む:濡れた後の締め増し不足/締め位置が甘い/バックル固定が不完全。
- インフレーターが入らない:LPホース接続が浅い/差し込み口の砂・塩噛み。
- ホースが絡む・引っ張られる:取り回しを整えずに装着した/固定位置が毎回バラバラ。
セルフ合格ライン(3点以内)
- リークなし:バルブを開けた後、接続部からの漏れ音がない。
- 作動OK:メイン/予備の呼吸が正常、BCDの給気・排気が正常。
- ズレない:BCDを持って揺すってもタンクが動かない(バンド固定が完了)。
安全メモ
組み立ては「急がない」が最大の安全策です。
エアを開けるのは最後、開けたら漏れ・作動・残圧の3点を必ず確認してください。
参考:DM候補生の練習(動画リンク)
完成形(デモレベル)ではなく、DMコースの一部として、ありのままの現時点を記録した映像です。
「自分もここでつまずく」「こうやって整えると良くなる」を感じるヒントとしてご活用ください。